【ネタばれあり】「1%の奇跡~運命を変える恋~」はリメイク版、でもなんか切ない出来上がりです

 これもツンデレ財閥系御曹司が庶民の女性に契約恋愛を持ち掛け、本気になってしまうという韓国ドラマでは定番の契約系恋愛のストーリー。おまけにこれはリメイク版で、何年か前に同じタイトルでほぼ同じようなキャラクターで(もちろん追加されたり、関係が変わっていたりはいろいろありますがメインは変わっていない)、作られています。もう何年も前に見たので、うろ覚えではありますが、なんかとても切ない雰囲気が最後まで漂っていましたね。

 それは一重に、財閥系御曹司だから、6か月の契約だからということにこだわり、ふたりとも遠慮がちに、意図的にブレーキをかけているからです。契約だからその一線を越えてしまえないという事務的なことだけではなく、財閥系という環境に引きずり込んでしまうことへの罪悪感が踏み出したくない、踏み出せない、と感情に壁をたてて必死に防いでいるけど、実はダダ漏れ・・・。だから、胸キュンだけど、切ないのです。

 まったく韓国の今の様子がドラマを通してしか知らないので、実際のところこの財閥系に対する憧れとか現実がまったくわからないのですが、こんなことがありえるのでしょうか?もう日本ではなかなかないシチュエーション(トレンディードラマ最盛期でもあまり取り上げられなかったように記憶している)だけに、こんなに似たようなテーマが取り上げられること、契約結婚がストーリーになることが、正直不思議でたまりません。そして、契約から始まった擬似恋愛が成就するパターン、確かにストーリーとしては面白いですが、本当にこんなことありえるのかなぁ?

 今回はいつになく、すごい幕開けだった気がする。もう、闘志むき出しの牛同士が頭突きするかのごとく、どうやっても平行線のままで、契約にすら持ち込むことができないし、できても平行線でおわるのではないか?と。でも、そこはビジネス経験豊富なツンデレ御曹司がうまく切り出してまずは路線に乗せたところが見事だと思いました。そして、それがいずれは交わっていくのか・・・と。傍目にはただ一緒に過ごすときが多ければ多いほど情が移っていくのかな?くらいの印象だったように感じます。だって、お互いに好きにならない!を謳っていたからね。それがいつのまにか・・・というのはちょっと単調な展開だったようにしか思えないところも否定できません。

 冷静に考えると、恋愛結婚のほかに見合い結婚というのもあって、数は少なくなったとはいえ、まあ契約といえば契約恋愛に非常に近いものではあると思える。だって、お互いに好きあって結婚したわけではなく、決められた結婚、みたいなところもある。祖母の時代は初めて相手の顔を見たのは、結婚式の当日とかいうこともあった。遠く離れているし、政略的なこともあったかもしれないけど、親が決めたことに異を唱えるなんてできない時代ですしね。

 じゃあ、そういう見合い結婚をした夫婦が過ごす時間が長いから次第に情が移って恋することになった、ってことどのくらいあるのだろうか?祖母は見合いだったけど、結婚して子供が生まれて数か月でダンナさんが戦争に行って、そのまま戦死。果たして情が移るまでの関係だったかはさだかではありません。友人に二人ほど見合い結婚をした人がいますが、なんかそんな甘い感じは見受けられません。まあ、結婚生活、ましてや子供とか生まれると余計ですが、もうそんな恋だの好きだの言っている暇はないかもね。お互いこっぱずかしいとか口下手とか、日本の文化にはそういうものがタブーとか生活に埋もれてしまう感情っていうの?まあ恋愛結婚の私たちですら、子供が2人生まれるとそんなことはなくなるとは言わないけど、薄れる?二の次、三の次かな。アメリカとかだと結構ラブラブだったりするんだけど、なんでだろうね、そういう甘い感じはすっかりなくなってしまうね。

 定年を迎えてとか子供が独立したとたんに離婚を切り出す夫婦も最近は多く、どうも見合い結婚に多いという話を聞いたことがある。つまり、契約という形から入った場合、恋愛感情につながる確率は低いのではないか、と私は考える。現に、上流社会の方たちの結婚は、いわゆる家やビジネスのための政略結婚が多いと思うのですが、これがまさに契約結婚ですよね。もちろん、そうやって結ばれて幸せのカップルも多いとは思いますが、やはり家や会社のために自分が犠牲になったという思いが強く、相手に情が移ることは少ないのかもな・・・と勝手に思い込んでます。これもいろんなドラマの見過ぎかもね。実際に統計を取ったわけではないから、ほんと勝手な見解ですね。

 だから、韓国ドラマの契約恋愛系がこんなに確率が高く成就されてしまうことに少々疑問を抱きながらも、どうこのツンデレ御曹司が相手の女性に惹かれていき、デレデレになっていくのか・・・そのデレデレの瞬間が楽しくてしょうがない!というのがツンデレ好みの私としてはたまらないなと思いましたね。別に御曹司だからとか金持ちだからとかは私にとっては二の次なんですが・・・庶民同士だとあまりストーリーにならないっていうのもあるのかな。また、韓国ではそういう憧れがものすごく強いのもしれません。日本だって、相手にするなら、イケメンで金持ちがやっぱり条件の2大条件に上がってくるからね。なんだかんだいっても、そこは最初は外せないわけです。まあ、実際に結婚するとなると、それもどっかにいってしまうことは多々ありますけどね・・・。

 16話で完結するし、各話が40分くらいと短めなので、結構かるーく見られました。切なさに存分に浸りたい方、もちろんちゃんと最後は救われるので、切なくて終わりではないので、安心してみてもらうことができます。あまり意地悪すぎの魔女や意地悪な展開もないので、そこは気をリラックスさせて楽しめるかな。