【ネタばれあり】「総理と私」は胸キュンがなくてだめだ・・・

 契約結婚/恋愛系ネタのドラマ第三弾とでもいいましょうか。こう3本続けてみると、いろいろと違いを突きつけられました。「総理と私」という、後でいろんな評価をみると韓国本土では人気がいまいちだったとか・・・。うなずけます。これは、おなじ契約結婚から始まり、最後は相思相愛なのですが、イマイチおもしろくない。さんざん引っ掻き回し、引っ張ってみたものの、え?これで終わり?納得いかない・・・と改めて考えてしまう始末。なにがダメだったか。

 スキャンダル系WEB雑誌の女性記者がひょんなことから総理候補(すぐに総理になるんですが)と契約結婚をすることになる。これは、取材対象であった総理候補とたまたま熱愛報道を勘違いされ、今更否定することもできない、否定することによって総理候補のイメージが悪くなるとの間接理由から、結婚せざるを得ない状況に追い込まれるのです。歳の差もあるし、総理候補は3人の子持ち。いきなり、3人の母親にならざるを得ないところから、始まるわけです。

 でも、いろいろなことがあり、総理自身、子どもそれぞれの問題を丁寧に解決していきながら、なくてはならない存在になっていき、次第にお互いに惹かれあう、わけですが、なんか最後はすっきりしない!最後まで期待させておきながら、これはないでしょー!と。なぜか。

 この総理。検事あがりの国会議員で総理までになった(といっても一番権限があるのは大統領なので、2番目なのかな?ちょっと韓国の事情に詳しくないので、そこはなんとなくで)3人の子持ちー高校生?小学5年生?幼稚園の3人。検事あがりということもあり、クリーンなイメージを大切にしていて、清廉潔白であること、常に庶民の味方で正義を振りかざしたいという信念をもった、まあ、正義のヒーローみたいな人なんです。それが、このドラマをダメにした、と言っても過言ではないのかも。

 というのは、そういう正義のヒーロー的な国会議員が、愛だ、恋だで振り回されたり、溺れてしまってはいけない、というの常に意識しているのか、(俳優が下手なのか?)表情にほとんどでてこない。つまり、見ている方は、ツンデレのデレがないので、全然胸キュンしない!確かに、常に秘書やSPが付いて回るので(下手すると家の中も家政婦や子供たちの目がある)、そうデレデレしたり、抱き合ったり、キスしたりできないのはわかるけど、あまりにも潔癖過ぎて、フツー過ぎ、つまんない。

 契約結婚の内容も極度に順守する/させようとお互いに意識することもないし、お互いに嫉妬したりやきもちをやいたりして、本当の自分の気持ちに気づくきっかけにもなっていない。この辺は、定番の展開方法なのに、これを利用しないから、いつまでたっても平行線が続くだけ。うーーーん、いったい何が言いたかったのだろうか。

 むしろ、いつも財閥系のツンデレが主人公のお話だっただけに、どう財閥系が政治に干渉して政治が歪められていくのかを垣間見ることができた気分。大統領さえ、財閥に頭が上がらず、気を使って財閥への捜査を途中で取りやめたり、財閥の顔色を窺ったりとこれじゃあ、脱財閥なんてことは無理な社会なんだろうな・・・と。日本も財閥が多少残っていますが、ほとんどは名前だけらしく、戦後、解体されたことから、自由競争が加速したといわれ、財閥のマイナスは払しょくされたといわれていますよね。そういう道をたどらなかった韓国では、今でも財閥が牛耳っていて、なにかおかしな社会形成になっているのかな?と思いました。詳しいことは、また勉強でもしてから・・・。

 だめだ・・・。このドラマに20時間近く時間を費やしたのがもったいない・・・と思わされ、後悔。国会議員だからと潔癖を通すのもいいけど、ドラマだけにその潔癖さを維持しながらもどう自分の人生を楽しむ、家族を守っていくのかというのをひとりの人間らしく、人間臭く表現してほしかった、と思いますね。